こんにちはdbd半です。
先日、団員が持っている演劇DVDを拝見させてもらいました。
芝居って面白いな。
また「よだかの星」並みに考察を述べたいところだけど、今日はあえて別の切り口から。
価格です。
その作品は2017年の作品
場所は池袋。
キャパ100ほどの小劇場。
平日の1ステありトータル 6ステくらいだつたかな。
出演者8人ほど。
皆さんオーバー40のベテランな方たち。
上演時間約120分
舞台の立て込みガッツリあり。細部にまで作り込まれている。
衣装替えあり。何回も。
歌(創作)あり。
感動あり。(感動は泣きの感動だけではなく心が揺さぶられるもの)
・・これで3500円!
3500円!!
3500円⁉︎
ご存知の通り、世間的な動向で物価は目に見えて上昇している。
私が関西でどハマりしていた頃なら、この価格で納得。しかも満足して帰れる価格帯だ。
この作品の中にテレビに出ている人が一人いたなら、一気に金額は変わっていたのかもしれない。しかし、名前が売れているか否かでこの金額に収めてしまうのは、なんてもったいないことだろ?
東京だよ?
2017年だよ?
今からたったの5年前だよ?
小劇場の価格だけ2000年代で止まってしまっているの??
衝撃でしか無い。
エンタメの価値って人それぞれだろうけど、今の私は、自分達がエンタメの価値を下げてはいけないと思っている。
エンタメの価値
大きいところでは、ディズニーもUSJも値段は上がっている。
嗜好と言えば、スイーツはどうだろう?
ちょっと良いやつを選ぶと7〜800円はする。ちょこっとしたヤツでだ。大口を開ければ1口2口で食べ切れてしまうような。
私のスタンダードのお昼は、おにぎり二つと春雨スープだ。120〜150✖️2個と一つ50円だいたい400円弱ほどだろうか?400円以下で抑えていたお昼代だが、お弁当を買えば500円オーバーするのが普通になってきた。財布が寂しい。
映画はどうだ?
先日まで1800円だったと記憶しているが今は1900円。
今年の夏稲毛海浜プールを利用した。
今年リニューアルをして一般1600円に。それまでは1200円だったのに。ファミリー層に一人分の値上がりはその2倍、3倍になるのを忘れてはいけない。
少し愚痴が混ざっているが(笑)、このご時世何かと値上げの波は押し寄せているし、それが通常化されている。
あらゆる情勢の中、飲み込まないといけない事情だろう。
小劇場の演劇は、通年販売されるもので無い。
なので価格の統一化は難しい。何を基準にすることもできない。毎回単発になるし、場所も出演者も変わることが多い。固定した金額をつけにくいのだ。
他方で、クオリティの低いものが強気な価格帯を提示していることも多い。
理由はそれぞれあるだろう。
このばらつきの原因の一つは、小劇場の場合、どれだけお客さんを呼べるか?が重要だ。お客を呼べる仕組みができていないことがとても大きい。お客さんが来てくれないのは価格が高いから、ではない。しかし、そう思って価格を安めに設定する人も多いだろう。
つまりこれはもっと問題視することがあるのだ。
自分達を下げすぎてはいないだろうか?
例えば無料公演はお財布に優しいし、お客からすると有難い。
チケットがない分、とても気軽にふらっといける。もし仮にそれが思うものでは無かったとしても、無料だしね。と思える。救済的なものだろうか。
だが、しかし、
だが、しかしだ。
今までなら、それでよかったと思う。私が感激していた2000年代。20年前ならだ。
沢山のエンタメの中、時間をいただいて観劇しに来てもらえること自体、有難いのだから。
だが、しかし、なのだ。
物価は変わる。
エンタメの意識も変わっている。
コロナのおかげで、観劇する機会事態も減少した。
そんな中で、生身の人間が熱量と時間を使って一つの作品をお客様の感動のために費やし、その熱量を肌で感じられる。
それが無料の価値なのか?
私見で言えば、どんな作品であろうと生の芝居を見れるだけで500円以上の価値はあると思っている。
それだけの価値があると思うからだ。
上手い、下手、面白い面白くないはあるだろう。
助成の有無も大きい。
しかし、生の人間が目の前で、表現していることを観れる機会って、今どれだけあるんだ??と思う。
お金を頂く事は、作品の価値だけではない。
そこまで足を運んでもらうまでのアナウンスの宣伝方法や、役者自身の人間力、会場の雰囲気から、終演後の送り出し。
すべてに置いて、お客さまに感動を促すためのもの。
作品自体のクオリティは、ぶっちゃけプロにお任せするとして、自分達のやれる事を明確に打ち出し、それに必死に応える。
それだけでも、お客さんはお金を払っても不満を持つことは無いのではないか?
お客さんは優しいし、一生懸命な姿は心を打たれる。もちろん作品に心を動かせるように努力する。それでも技術や時間が足りないのは仕方ないではないか。その中途半端さの中でプロには出せない色や雰囲気がアマチュア芝居の醍醐味だ。
もっと言うと、
あくまで個人的な感想だが、少しでも真摯に取り組んでいる姿を感じ取られたなら、2000円までの価格なら金返せと思うことは無い。
多少の物足りなさはあったとしても、作品作りの大変さを知っているからこそ、よくぞやってくれた!素晴らしい!と拍手を送りたいと思う。
(ただし、お客さんに心が向いてない芝居はどんだけ安くても個人的にはNGだ。それはまた機会があれば書きます。)
だから、
ちゃんとお芝居をやっている方が、
低い価値を自分達でつけてしまうのはもったいないと思ったのだ。
そして、お客さまも、それが基準になってしまうのが恐ろしい。
こんな素晴らしい作品が3500円で観れる。
だったら2000円でこれくらいの価値は無いとね、となってしまう。
一つやれば、何かの基準になってしまうのだ。
勘違いしないでほしい。
強気の価格帯がいいわけでもない。
弱気な価格帯がいいと言うわけではない。
適正な自分達に見合った新しい価格帯の基準が、必要ではないか?と言う問題定義なのだ。
そして、コロナが落ち着き始めた頃、そのチャンスが回ってきている。
新しい価格帯を打ち出しても世間は受け入れやすいのだ。
全てが高騰している中、アマチュアとは言え、エンタメにかける価格だけが、20年前と変わらないなんておかしい。
エンタメは、それだけの価値があると、お金をかける価値がある、と私は思っているから。
それだけ素晴らしい事をしているから。
それだけの価値がある。
それだけ、芝居は素晴らしい。
人の心を動かすものなんだから。
そうする事で、次の作品にも出会える。
次の作品への取り組みを円滑にする。
新しい作品と出会えやすくる。
単発ではい、継続する力を作る。
その仕組みづくりを作っていけたら、面白いと思うんだよなぁ。