前回記事で、このストーリーの前置きを書かせていただきました。
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では早速、
ショートストーリーです。
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「大地」 20180309 dbd半
かさかさと木々がざわめき、
四角い箱の中私は夢想する
もし、私の指から根が生えて大地とつながる事が出来たなら、
大地の一部になって、人を支え、空を見上げたい
私の体の血が、穢れを落とし命の水となり生き物を潤すのなら、
生命の力に驚嘆し、川に飛び跳ねる魚を見て声あげて笑おう
風にあおられる私の髪は長く、雨と嵐から君たちを守る
そして晴れた日にここから巣立つ小鳥を眺めよう
皆の足音と重みが心地よく、
私の爪垢は子供らの灯りとなり、夜の闇から道しるべを照らす
子らよ
大地の音を聞け
大地の涙を知れ
大地の祈りを見よ
私の足は地を離れ地を蹴る
私の手は地を離れあなたの頬に触れる
私の体は地を離れ空に舞う
大地よ
見ておくれ私はあなたの子
大地よ
歌っておくれ
私を守る子守唄
大地よ
綴っておくれ
私とあなたと次の命を
大地よ
許しておくれ
大地よ
許しておくれ
私があなたの一部になるまで、
愚かな過ちを犯してしまう
こんな私たちを
あなたの体を燃やし、あなたの体で家を作る
あなたから流れ出た水から、穢れ作り穢れたままあなたに押し付ける
あなたの吐息を吸い、穢れを吐く
自らを裁き自らを殺める
こんな私たちを
あなたのすぐそばで安らぎ眠ったのはいつの事だろう
私は覚えているあなたの温もり
私は消えても心は残る
私はあなたの夢を見る
大地に根を張り小鳥は囀り手を伸ばして天に近づく
私の中から大地の力が吸い上げられ、伸ばした手から空へと流れ、私は自然の一部となり、体は空気に溶けていく
今のあるべき姿でそれが叶えられたのなら・・
あなたに抱かれることを許しておくれ
いつか
いつか
いつか
あなたの元に還るまで
* * *
いかがでしたでしょうか?
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