dbd-hans-collection101のブログ

さぁ、世界をつくろう。 人生には刺激が必要だ。 dbd-hans-collection略してdbdの半のブログ。ほぼ一人で立案から創作完了まで行う芝居何でも屋。そんな芝居人、半が感じたアレコレを書き綴って参ります。

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ワンダースリー(W3)見てきたよ

 

関西の芝居仲間がこっちに来る機会があり、知り合い以外で初めて関東での観劇をしました。あ、劇団四季を除いてですが。

 

私がこれだけ芝居好きなのに、関東で・・東京で小劇場のお芝居を今まで見に行かなかったというのは、二つ大きく理由がありました。

 

一つは単純にやりたくなるからです。

拍車がかからなくなったらどうしようという不安や、見終わった後のヤキモキした気持ちのはけ口が今までなかったから。一人で悶々とするのが目に見えています。

 

もう一つは、関西でも小劇場はピンキリです。

さらにメディアとエンタメの集合地である関東の劇場であれば当たりハズレも多いのは必然。

若い時であれば、ヤッチャッタナと思う公演も楽しめましたが、今はその余裕がありません。金銭的にもそうですが、時間的なものが大きくて。

何より、関東だと、どこが自分好みに合う芝居を観れる劇団なのか検討もつきません。外れる可能性が高い。滅多に行けない分、残念になるのは昔より辛いです。

 

時間とお金と心に余裕があれば、どれだけ観劇することか。

 たらればは置いといておいて、つまるところこの二つを超えて東京まで足を運んで見に行く理由が今まで無かったからです。

 

 

今回は関西の昔っからの演劇仲間です。

知り合ったのは社会人になるかならないかくらいから。その友人がやる劇に出させてもらったり、小劇場を一緒に見にいったこともありました。

夜飲み屋で芝居のことや仕事のこと、たくさん話したのが懐かしい。

 

今は飲み屋に行くことは有りませんが、こうして気の合う仲間に会えるのは、ほんとうに喜ばしい。

 

そうして、今回セレクトした舞台は

「ワンダースリー」という作品です。

 

 

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友人と会えるのは決まった日だったので日時指定ありきの芝居探しでした。

 

こうしてみると、映画のように行き当たりばったりでとりあえず映画館前集合して「さ、なに見たい?」「これなら次の回で見られるからこれにしようかっ?」という気軽さが無いのが実にもどかしいです。

 

色々サイトを探しましたが演劇チケットサイトでは、日時指定検索が出来ないものもあって、気軽さに対しての敷居を感じずには入られませんでした。

 

その中で調べまくったあと今回たどり着いたのは上記のワンダースリーという作品でした。

なんと手塚治虫原作です。

ご存知ですか?

 https://ja.wikipedia.org/wiki/W3

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 私は失礼ながら知りませんでした。

手塚治虫作品というだけで期待度が上がります。

 

往々にして私たちが好むのは2・3000円程の価格帯の演劇なのですが、やはり前情報がないと小劇場は当たり外れが多いのは必須です。関西からわざわざ来る友人と観劇後にダメ出し大会になるのは避けたいところ。

あ、私みたいな芝居好きは観劇後に自分が感じた感想を出し合うのがまた醍醐味なのです。自分が気づかなかったところを相手は発見してくれていたりします。気の合う仲間の良いところは、感じ取ったお互いの意見を否定しない所です。

そんな貴重な時間を十二分に味わいたいじゃないですか。

 

と言うわけで、お値段は多少張っても、良いもの見たい。( ̄▽ ̄)

ワンダースリー価格6500円でございます。(=´∀`)ぅ〜ん、失敗したくないお値段。さらに上演時間70分。

正直お値段にしてはお高くない?と思いました。

 

が、結論を先に言わせていただくと、損した気分はありませんでした。

 

 

良かったことにダメ出し大会なんて失礼な事は微塵もなく、勿体無いよねと思うところは少しありましたが、一言で言うなら、すごかったね、に着きました。

 

最近では小劇場でも舞台と映像のコラボが多いのが目に付きますが、「今回もそれを大きく売りにしていたらどうしよう。演劇というより映像に偏りがあるものかもしれない。」さらにノンバーバルと気づきと警戒心が有りました。

ノンバーバル(台詞なし)舞台。

映像や台詞なしというのは売りは売りで良いのですが、舞台ではやはり生身の人間が演じるリアルや劇場に響き渡る声や台詞まわし、さらに舞台全体を楽しめる世界観を見たいのです。ノンバーバルで楽しめるのだろうかと不安もありました。

 

ところがどっこい今回は役者さん方のリアルとプロジェクションマッピングなどの映像と、そのほかの舞台芸術の境目が絶妙でした。

誰かが何か(映像や舞台美術のスタッフ力)に頼るような事はなく役者さんは役者さんの良いところを、その他の芸術はそれ自体の持ち味を十二分に見せてくれていました。

 

ノンバーバルという点も、私は?でした。だって喋ってるもん。宇宙語だけど。(笑)

そう、なのでここでの解釈でいうとノンバーバル=台詞なしの舞台ではなくて、非言語コミュニケーションときちんと受け取るのが正解でした。地球語ではない設定(笑)

 

どのシーンでも、相当な基礎レベルの高さが見受けられます。

 

これぞ総合芸術★  と思わせてくれました。

 

人間と舞台と道具と映像。

 

あらゆるもののコラボレーションです。

なんてバランスが良いんでしょうか。

 

 

 *      *       *

 

私は一つのものがあらゆるものに見せる演出が好きです。影がお化けに見えたり、ネクタイが馬の手綱になったり(過去ブログ参照)

今回の作品は私の好きなものがたくさん有りました。

 

あとね、私は舞台の人物たちが一枚の絵のようになっているのが好きなんです。

 

舞台では人や物が動くんですけどね、そのどの一瞬を止めても写真や絵のようにポージングしてるみたいに綺麗に見える感じです。

舞台の枠が、絵の額縁のようで 上下(かみしも:舞台の右左)と上下、奥行きの遠近を上手く使って、人と人が被らない状態で人や物の配置の構図が美しいのです。

 

これって役者同士は基本動いているので、自分だけではなくて周りを見てないと絶対できないんですね。

でね、そのポージングの中でも役柄が出てるのが好きなんです。キャラだけでも台詞だけでもなくて体全体でキャラクターが表現されてる。

そういうのを見るとワァとなります。

 

今回は、関西小劇場らしく体を使いまくります。その上でどのシーンも舞台上の構図やデザインかとても美しい。

(このワンダースリーの演出家さんは前にも書いたことがある演出家ウォーリー木下さんが演出をされています。 ウォーリー木下さんは関西小劇場の劇団☆世界一団(現在Sunday)さんの演出家さんです。関西小劇場は体を使う表現が多くて、かつ合間に小ネタを挟んで来るのが特徴の一つです。なので縦横無尽に役者は動き回るため素舞台(すぶたい:小道具などが置かれていない舞台)が多いのです。)

 

 それを言うと、私はテレ朝の子供向け番組、ヒーロー戦隊が好きなんですが、同じことが言えます。

 

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今放送されてるのはキュウレンジャーですよね☆

キャラクターも大好き。キュウレンジャーですが、なんと今は常備ヒーロー11人です。(笑)

スーパー戦隊の話は長くなってしまうのでお写真だけにしておきます。

 

こういった複数の登場人物がいて、立ち姿だけでもキャラが出ていたり、画面の全体を使って人や物が重ならずキャラクターらしさがあるのを見てると指一本にまで個性が出ていて、絵としても楽しめるんです。

 

 

そのほかにも、演出効果のなかでは一度はやってみたいよね!これってどうやっての?という効果が盛りだくさんでした。

また見たい!と思わせてくれるエンタメでした。

 

 

観劇後には、あぁ、やっぱり私舞台の演出の見せ方って好きだなぁって、思いました。

 

あぁ、私はなんて単純なのでしょうか。

好きなものを体や心に補充するだけで、こんなにも幸せになれます。

 

 

 *      *       *

 

私は演出もしますが演技指導はできません。 

内面からにじみ出る細やかな機微に関しては実は無頓着なのです。

だから半は役者の内面を引き出すとかは、ごめんなさい、できません。

 

ただ、こうやったらこう見えるなという演出効果が好きなんです。

どうやったら、人がイメージするものと舞台で見せたいイメージが合うか、と言うところに魅力の一つを感じます。

 

例えるなら、漫画だと怒りすぎてヤカンが沸騰するような湯気が出ちゃうような、、、そう言うデフォルメされたイメージ。そうして"怒ってる"を表現するようなことです。

 

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プンスカ プンスカ

 

人の脳味噌の中にあるイメージに近い物を持ってきて、連想させていくような、想像力を掻き立てるような演出効果がとても面白いのです。

 

例えば布を、はためかせただけで、時には川の流れのように見えたり、時には白旗を振ってるように見えたり、くるくる適当に巻いてゴツゴツ感を出して岩に見せたり。 

 

役者も照明も音響も小道具も舞台美術も、総合してどう見せるのか・・・。

そういうのを考えているとゾクゾクしてきます。(笑)

 

そして、その発想の着眼の終着駅は、人間を含めた「自然」から得られるインスピレーションです。

 

 

だから、演技指導ができない分、役者さんには自由に動いてほしいなぁ。

私があれこれ演技指導なんかはできないわけで、その分役者も「なんでも出していいんだ~」っていう空気の稽古場にしたいなぁ。

 

私はまだ自分のスタイルが確立していません。

役者としても演出としてもdbdとしてもです。

 

今回の観劇は自分スタイルを一つ掴めたように思います。

 

 

 *    *    *

 

友人とはそのあと喋りまくり、例のごとくあっという間に時間が過ぎました。

 

 

好きなことを話せるというのは幸福ですね。

 

 

皆様も好きな何かに出会えますように。

 

面白いお芝居に出会えますように。

 

 私もまた良いご縁に出会えますように。

 

 

-----20171208写真追加-----

 

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販促の宇宙食パン(笑)。貯金箱使用できます。¥1000 お土産にどうぞ。

個人としては小道具で使われていたシャボン玉銃が欲しかったです。あったら即買いなのになぁ〜(笑)

 

 

一番偉い人

 

 

「普通が一番偉いんや」

 

 

父は昔から同じことを何度も繰り返し言う人でした。

あ、ちゃんとご存命ですよ(笑)


電話でありがうを伝える時、ありがとありがとありがとさんと
まったく同じ言葉だったり少し語尾を変える事もありますがとにかく最低10回くらいは同じことを言います。
大げさではなくてそれくらい本当に言うんです。

 

 

私は壊れた時計のようだといつも思います。
それが何年たっても同じことを言うんです。一度言い始めると10回ほど繰り返されます。

定時を知らせる鳩が間違えて何度も何度も飛び出してくるようで、その時刻が来たらまた何度も飛び出してくるようで、父は少し壊れかけの時計のような人でした。

あ、死んでませんよ(笑)


痴呆が入っているというよりかは、本当に昔っからなので多分癖なんです。
もともと眼鏡屋さんの商売をしていた人です。
メガネのレンズを擦ってフレームの形に合わせる整形もしていたので商人(あきんど)権職人のようなところがありました。


皆さんも時々見かけたりしませんでしたか?
語尾に必ず「すんません」と必ず付けるような職人や、ちょっとせっかちな感じでハイッハイッと接客をするような方。

 

 

「普通が一番偉いんや」

 


そんな父が昔から時々口にする言葉の一つです。

まぁ親父の小言くらいにしか思ってはいませんでしたが、どうやら私の骨の髄あたりには染み込んでいたようです。

 


私はお芝居が好きで、お芝居の道に行きたいと思っていたこともちょっぴりありましたが、そんなに甘くないと容易に想像できました。

私のようなアマちゃんでは、到底「本気でやりたい人」にはかなわないから。

他の物を投げ打ってでも絶対に有名になりたいとか、公演が始まれば親の死に目にも会えないとか、そんな覚悟はさらさらありませんでした。


そして、それは今もです。
私は私が大事だし、自分のプライベートを<売り>にできるほど逞しくもありません。


しかし、お芝居のために周りの人を蔑にしていたこともありました。
当時の彼氏さんより芝居を優先していたこともありました。
体調気を付けてねと言いつつ、始終語尾には「本番近いから」と付けていたこともありました。


でも、そうやって一周するころ立ち止まる原点は、父の言葉になります。

 

「普通が一番偉いんや」


普段の生活にこそ、人の喜びや悲しみや、滑稽さやワクワクがあって、人生の生のワクワクにはお芝居なんていうのは絶対にかなわないわけです。

 

有名になるから偉いんじゃない。
お金がいっぱいあるから偉いんじゃない。
演出やるから偉いわけでもない。

 


普通に仕事に行って普通に帰って普通に毎日を過ごすこと。
悪いことに手を染めず悪い人と関わらないこと。
普通のことを普通にすること。

それが一番偉い。

 


父ちゃんはそんな考えの持ち主でした。

 

私もその言葉を受けて育ったものですから、一番の幸福はきっと芝居以外にあると思っています。


笑ったり泣いたり喧嘩したり、怒られたり、浮かれたり、何回やってもうまく行かなかったり、思わず思っても見ないことを言って後悔してしまってでも本当は早く仲直りしたいと思っていたり。
だってこれこそ本当のドラマじゃない?

 

私は普通のサラリーマンや家庭を支えてる人や、毎日を投げ出さずに生きている人が一番カッコいいと思う。

 

 

 

家も仕事もありながら、ほかの事も頑張ってる人。
「あんたは偉い」
大事な物分かったうえで、さらに別の幸福の手を広げているんだから。

得手不得手なんていい。好きか嫌いか、答えは出てるんでしょう?

 


家の用事やお仕事を続けてる人。
「あんたは偉い」
毎日毎日の生活、変わり映え無かったり急転直下したり人によってちゃうと思う。
でも、毎日ちゃんと生活してる。あんたは偉い。

 


朝起きて、ご飯を食べて、支度をして、仕事をしたり、家族の人のお世話をしたり、遊んだり。


家に帰って寝て、また起きて。


毎日毎日その繰り返し。

 

お芝居やっててもやってなくても。


毎日の繰り返しを、毎日普通に繰り返している。

 

やっぱりそれが一番偉い。

だから、私もそう思っちゃうんだよな。

 

普通の人が一番カッコイイ。

 

 

もしかして、

普通に家族で食卓を囲みながら笑ってご飯食べる風景。

 

これが一番泣けるシーンじゃないだろうか?

 

 皆が笑ってる。

 

皆が心から笑ってる景色。

 

 

ん?いや、これってめちゃ難しいのかも?

 

 

 

こういう普通の景色に感動できる作品が、半は好きです。

人生のワンカット。

こういうのができたら面白いだろうなぁ。

 

 

 

 余談。

そうそう、よく言う父の口癖がもう一つ
半は当時にしては遅い目の子供だったので当時父ちゃんは40歳くらい
(父は自分に無頓着で誕生日もあやふや(;一_一))


「あともう10年や」
(↑縁起でもない)


というのを半が物心つく30年位前から言っています。


ま、30年くらい変わらんねんからあと2・30年は言い続けてもらわんななぁ。

 

生きてるって、カッコイイ。

 

 

 

プライド

 

「プライドを捨てられるのか?」

 

 

日曜9時に放送されている池井戸潤作の陸王を見ています。

 

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上記の言葉は、確か3回目の放送だったと思いますが、CM前に画面の両サイドに映ったコメントでした。

 

名ブランドのシューズ会社に所属し、期待をかけられ最前線を戦ったきた竹内涼真君演じる茂木裕人選手。足の怪我でライバルに抜かれ落ちぶれて行くが、新規事業を開始したばかりの足袋屋が開発するランニングシューズに足を通すのか?

今まで積み上げてきただプライドを捨てられるのか?

 

という意味で使われていました。

 


何となく展開は分かるものの、一念一通・勧善懲悪物は、安心して爽快感を味わえます。

 


ただ、この時は、冒頭の言葉が気になったのです。

「プライドを捨てられるのか?」

 

なんだろう、最近の私は、関わった方にも楽しんでもらいたい、楽しんでもらえるスタンスを作らないといけない。
主催はそうじゃないといけないいんじゃないか・・そんな気持ちがありました。

前回書いたディズニーランドから学ぶ〜もそうありたいと願う自分の理想でもあります。


前回記事

 

 

ここから、何が出来るのだろう?
私に、私なんかに・・・そういった概念がず〜っと頭をもたげていました。

 

 


「プライドを捨てられるのか?」

 

 

このテロップを見たとき、ふと手が止まりました。

一見べたべたな内容だし展開を先に語りすぎでいてストーリー読めすぎちゃうよっと思う反面、すっと何かが脳裏をよぎります。

 

 

・・・・ちょっと待って。


私のプライドって、・・・変に高くなってない?

一緒に作る人とも、楽しんでもらいたい、楽しませなきゃいけない・・・

 

って、あたしって、そんなに偉い?

人に楽しんでもらうって、なんか横柄じゃない?万全で楽しませると言えるほどのネタ持ってる?

 

 

人は自分でしか自分を楽しませるこはできません。
私にできる事なんて限られています。


出来ない事をやらないといけないと思えるほど、私は大きい人間ではありません。

 

じゃぁ、何?
出来るのは、・・・一緒に楽しむこと。

そうなんじゃない?


何かをさせる・させたい・という心情はなんて不作法で、なんて攻撃的なんでしょうか?

 

 

この時、少し肩が軽くなったのを感じました。
手も足も出ない、そこから少し解放されたような。

 

 


千葉に来て数年。


人と関わればかかわるほどこういった思考と出くわします。
××は「○○しちゃダメ」××の時は「△△しないといけない」××は「□□するもんでしょ(□□もできないの?)」

 

何度かこのブログでも、人の考えの「自由性」について書かせていますよね。

ここ数年、目に付いてしまうのは、
ただ私がそれまで愚鈍だったからかもしれません。
ただ私がズレているからかもしれません。
人と関わる機会が少しですが、増えてきたからかもしれません。


いや、全部あてはまっているのでしょう。
総合して表立ったのが今で、だから私の目の前でぶら下がっていると思うんです。

 


本屋さんに立ち寄った時ふと目について掲示がありました。


「『こどもを絵本好きにするために』

  抑揚をつけないでください。子供は自由な発想で考えます。
  難しい言葉があっても、解説しないでそのまま読み進めてください。状況から判断して言葉の意味を理解しようとします。
  読み終わった後、感想を聞かないでください。」

 

なんてことだ、と思いました。

絵本の読み方なんて自由だし、こういったやり方もあるとは思うけど、あまりに語調が強い。


根拠としてはわかりますが、それ以外は認めない口調です。抑揚もつけちゃダメで、感想も聞いちゃダメ、そうじゃないと本好きにならない?
そういった印象を受けました。


私は絵本が好きなので、本屋さんに行ったときに絵本コーナーにも時々立ち寄ります。

以前、手にとった冊子にQ&Aがありこんなことが書いてありました。

 

Q.「子供が図鑑や車の種類の本を持ってきて、『読んで』と言いますが、どう読めばいいか分かりません」
A.「どんな話し方でも良いんです。『赤いね。これとこれは似ているね。○○に言った時見たね」と、
  そこから話が脱線しても、音で遊んで話しても。
  子供は親と関わりあうことで、楽しい時間を過ごし、本が大好きになっていきます。」

 


上記とは真逆ですよね?
物語でも図鑑でも、それは関係ありません。

 

 

演劇だけじゃなくて、表現する人にとって
「○○しないといけない」ということほど息苦しい物は有りません。

 

 

 

人と関わることは、素晴らしいことです。ですが、時に傷つき傷つけることがあります。

私は、今まで単独でしたし、動画だとお客さんも見えません。
これを最近強く感じるのは、人と関わることが少なかったしわ寄せなのかも。

 

 

今までの経験や、ささやかですがこの1年単独でもやってきた自負が少なからずあったことを白状します。リスタートしてから、向かい風もありましたが、以前にやっていた時よりも開放感がありました。それは芝居ではなく普段の生活の中で芝居に通じる要素を蓄えていたからだと思います。でも、それは小さい小さい枠組みです。

 

そんな自尊心が、誰かに「楽しんでもらわないといけない」「楽しませなきゃいけない」などという横柄なスタンスに連結していたように思います。

 

 

 

「プライドを捨てろ」

 

 

 

私は人を楽しませることは出来ません。
でも私が楽しむことは出来ます。

パラダイムを強制的に発進する方とは気が合わないと思います。
でも、そうじゃないなら、
私は一緒に楽しむことができると思います。


お客さんにむけても同様です。
私は100%楽しませることは出来ません
でも、楽しんでもらえるよう自分が努力することは出来ます。

 

 

 

陸王の今後の展開も楽しみです。

ディズニーリゾートに学ぶちょこっとエンタメ道~エンタメとお金の話~

こんにちはdbd半です。

最近には珍しく前回の記事から2週間以上の間があきました。

 

記事を書くのが遅すぎて、ブログをやっていて初めて、このまま続けられるだろうか?と一抹の不安を感じるほど(笑)。

もちろん続けます。

私が止めるときは、<書けなくなった>、その日が来る時だけです。

 

でも、もう少し書き上げるのが早ければなぁ・・。

書いている途中から、毎日の生活から発見はあるわけで、その間も心境の変化は訪れます。書きかけで、他のことが書きたくなったりね・・・ま、それもブログをやり始めた当初からの話ですから、読んでくださってる方は、よくご存じかもですね(^^;)

 

 

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「ディズニーリゾートに学ぶちょこっとエンタメ道~エンタメとお金の話~」

 

先月末の話にさかのぼります。(書くのが遅い笑)

 

※今回9000字ほどあります(^-^;) 書いている間に伸びた(;´・ω・)

 余談や前振りが長いので先に本題に進みたい方は下記リンクへ

【今回のテーマ~ディズニーリゾートで半が感じたエンタメのお話~】

①ステージで見られる出演者さんは役者さんたちのホンの一部


②自分が支払っても良いと思う5倍くらいのエンタメを提供すべし

 

 

その日は、ものすごい雨風でした。

台風が来た10/29(日)の事です。

 

 10月末と言えばハロウィンのイベントですよね!

ハロウィンイベント絶好調になるであろうこの日曜日。

半はそんな日にディズニーシーに行ってきました!!!
ランドではなくシーです。

 

一昨年から同じ時期にディズニーランドに行っており、今回はシーに行ってみようと意気込んでいました。シーに行くのはもう何年振りでしょうか。

 

ディズニーではこのハロウィンイベントシーズンの限られた日に限り、大人も仮装が許されます。ですので、この日はディズニープリンセス、プリンス、ヴィランズがわんさか・・・になるはずなのですが、さすがの雨模様に、仮装している方も少なく、せっかくのおめかしもカッパの中にしまわれて台無しでした・・(しょぼんぬ・・)。

半はしませんでしたが仮装をした方を見ているだけでも楽しくなります。

自前で作られていそうなものには感心せずにはいられませんし、小さなプリンセスやウッディやパズを見るとウキウキとした気持ちが、見る側に流れてきます。

 

ですが、この豪雨・・・。

 

チケット購入入口にある地球儀の噴水が、圧巻の滝でしたね(笑)※しゃしんも撮れず(´・ω・`)

パレードももちろん中止、アトラクションからアトラクションをさながら滝行のように移動しました。

ディズニーシーは演出的に水を使うものが多いのですが、夕方の豪雨の際には、さすがにヤバくない?と、身震いが・・・ですがせっかく来たからには少しでも楽しみたい気持ちも捨てられないのです。待ち時間10分で乗れるなんてラッキーねと言いながら、アトラクションを満喫してきました。


いや日付指定のチケット買っちゃったからさ。
他に振り替えるのもできないし、強行突破ですよね。
でも、この中でも仮装してこられるている方は、流石です。
ドレス型にレインコートを着ていらっしゃる方もいて、見た目とは裏腹に根性の入れっぷりに脱帽でした。


なんか最近嵐ネタが多いですね(笑)
半は雨女じゃないですよ!
たぶん連れの誰かが強烈な雨人間なんだと思っています。

 

さて、ディズニーリゾートでいつも感動させてもら居るのですが、やはりステージは素敵ですよね。私は芝居ファンですので、年々ディズニーの入場料は値上がりしていますが、ステージを見ちゃうとお金はペイできちゃうなぁと思っちゃいます。

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↑ステージ始まる前の照明つり込み


 やはり演技はもちろん演出技巧もたくさんあって凄いです。

 

今回見れたのはステージは二つだけでしたが、やはりここでしか見られない『特別な空間』でした。

 

=ディズニーリゾートに学ぶちょこっとエンタメ道=

 

ディズニーリゾートに学ぶちょこっとエンタメ道なんて、書かせていただきましたが、
本来、エンタメ×ディズニーについて書こうと思ったら、ブログのページなんて全然足りません!

たくさんの切り口があるので、それを文章化しようと思ったら、それだけで私の人生が終わっちゃいますので(笑)、ここでは、今回半が思った二つだけに焦点を絞って書かせて頂こうと思います!

 

皆さんの中には、皆さんの中での「これが良いんだよ~!」というのがあると思いますので、それは皆様の中で大事になさってくださいね。

今回半が感じた、自分のお芝居の糧となるエンタメについて二つ書かせて頂こうと思います。

 

【今回のテーマ】

①ステージで見られる出演者さんは役者さんたちのホンの一部


②自分が支払っても良いと思う5倍くらいのエンタメを提供すべし

 

 

この二つについて書こうと思うのですが、まずね、ちょっと前提になるお話。

 

エンタメとお金って切っても切れないカテゴリーだと思うんですよね。

 

皆さんは、どんな時にお金を払って買いたいと思いますか?
どんなものにならいくらくらい払いますか?
どうしたら良い買い物ができた!と思いますか?

それがエンタメ(衣食住にかかわらない娯楽)であれば、どうですかね?
このライン引きって、とても難しいと思うんですね。
人によって違いがありすぎるし、地域性もあるでしょう。

 

私も小劇場通いしていた頃は、
「これでウン千円て、とりすぎやろう・・・お金かえせ~(ーー)」と思うことが散々ありました。

お客さんを置いてけぼりにしているにもかかわらず、自分たちは頑張りました。
・・・というのはよくある話ですからね。

 

実際、運営費など見えないコストはたくさんありますし、小屋(会場)を借りるだけでも結構なお金がかかります。趣味の範疇にすると、マジで痛いです。
だからこそペイ出来る以上の見込みでチケット代金を決めるのが相場かと思います。

そうじゃないと継続運営できないので、やむを得ないところも有るんでよね。

趣味もただでは出来ないのです。

芝居は他の趣味より、時間とお金と労力がかかる割に、クオリティが追い付かないカテゴリーだと思います。基本的に団体戦だし、こうであればいい!というものはありませんからね。

だからこそ、継続するだけでも難しい。

 

お金は、かかっちゃいますからね~。

致し方ない部分だと思いますが、思いますが・・

ただ、ふと立ち止まってみてもいいのかな、と思います。

自分が知り合いの為ではなくて、一お客さんとして見たとき、自分の作品はいくらくらい出しても良いと思える作品なのでしょうか?

 

価格のつけ方は、いろいろあると思います。

先ほど述べたように、使い込んだお金と差し引きゼロになる想定でチケットの金額を考えるのが常套でしょうが、固定金額にこだわる劇団さんもあるのではないかと思います。半は後者で、大阪で自分が主催をしたときは500円のワンコイン料金にこだわっていました(笑)

チケットに対するお金の考え方、お金自体に対する考え方で、料金の付けた方は異なってくるでしょう。


ですが、極論、金額の高い低いにかかわらず、どうせやるなら、


「またお金を払ってでも見たい!」と思える作品作りをしていきたいですよね!

 

そう、つまりはリピーターです。

 

芝居の分野は、長いものでは何か月も、何年も繰り返し上演されます。

小劇場の世界においても、再演やリメイクなどはよく上演されています。

音楽や映画、本でも何回も楽しまれる方はいらっしゃいますよね。

 

どういうときに、お金を払ってでも、また見たいと思ってもらえるのでしょうか?

それは、どうしたらそんな作品になるのでしょうか?

 

そんなヒントが今回のディズニーで見つけられた気がしたのです。(^^)

今回はそういったお話

 

 ※有料公演されている方は、各人が有料公演をやる<価値観>がおありだと思いますので、それとは別に、ド素人の半なりの考えを、物は一興くらいで読み進めてくださいね。

____________________________

 ①ステージで見られる出演者さんは役者さんたちのホンの一部

 

 

 

私たちは舞台やエンタメを楽しむとき、当たり前の話ですが、上演中だけのことしか知りません。
役者がどんな人で、普段どんな生活をする人なのかも、人柄も、練習量も。
ま、そりゃそうですよね。そんなのは作品には関係ないからです。

ですが、みなさんは、開脚や、側転できたりしますか?
歌ったり、踊ったりできますか?

だいたいの人は出来ないですよね。あ、もちろん半もできません(笑)


プロだから・・・そうなんです。それはそうなんです。
ここで見られる人たちはエンタメのプロです。

でも、プロだから出来るんでしょうか?
違いますよね。
普段毎日練習したり。
研修生として下積みがあったり。

見えない努力がたくさんあります。

 

半はプロではありませんので、やるといってもこのようなプロの方とは雲泥の差です。

時折、ストレッチしたり、顏パック(例の残りです(笑))したり、くらい。

 

テレビの俳優の方が、プライベートをリークされて作品の出演を降板することってありますよね?

作品自体を楽しみにしている人からすれば、俳優のプライベートの話なんぞ、まったくもって関係がないはずなのに・・・なんで?と思ったことはありませんか?

 

なんとなくテレビによく出演する俳優さんと舞台役者との比較をしてみます。

 

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舞台に立つ役者さん、ステージに立つキャストさんは、プライベートがほとんど見えません。

もちろん有名になりそうな方やカリスマ的な人気を誇るキャストさんもいますので、そういったファンの方は、プライベートも知りたい!って人もいると思いますけどね。

おおよそ、舞台の方のプライベートなにがしのほうを作品よりも重視するという方は少なかろうと思われます。

 

それは良くも悪くもなのです。

出来て当たり前だからこそ、普段の努力は認知されにくいです。

 

 舞台の上の自分・・・評価されない自分・・・

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ですが考えてみてください。

皆さんはステージの方がされていることの、どれだけの事ができますか?

声量や柔軟さ、アイコンタクトなどのコミュニケーション、もろもろ。

舞台に上がる人も私たち同様に一人の人間です。

怠ければ、体はついていかないだろうし、年を取れば今までできたことも容易くできなくなります。

半は、この年齢によるハードルを日に日に感じます。

そして思うのです。

 

努力の継続がなくては、舞台での活躍はできない。

 

その場しのぎではダメなんです。体力も技能も、すぐに身につくわけではありません。

毎日なのか週の何回かなのかはわかりません。けれども確実に、舞台だけでは一見わからない基礎が役者の根底にはあります。というか、ある一定のモノを見せようとするなら定期的な鍛錬が必要です。

 

私は、そんなことに、時々注目してほしいなと思ったのです。

舞台裏にある本番までの道のりを少し想像してみてください。

上演中だけをお客さんは見るものですしそれが当たり前ですが、たった一つの事も もしかしたらものすごい練習を積み重ねあげたものかもしれません。

逆に簡単にできるのだとしたら、簡単にできるまでの経緯があったかもしれません。簡単にできるだけのトラウマがあるかもしれません。

もし観客席にいて「わぁ、これすごい」と思えた感動があるならば、そんなことを思い描くと、感動が増幅してきます。

 

そして逆に役者をやられる方は気を引き締めてほしいのです。

(自分にも言い聞かせです)

根底にあるものは、必ず見えます。努力はすぐに見えなくても、必ず力になります。

身体的なもの、メンタル的なもの、人徳的なもの、すべて。

小劇場ではセルフプロでユースが基本ですから、芝居の何某だけではなく、社会の中で身につくもろもろも反映されます。忍耐力、リーダーシップ力、継続力、集中力、コミュニケーション力、観察力、行動力、傾聴力。

その時にやった役は、必ず自分そのものです。

瞬発的に違う役をやれたり身体的能力を発揮できるのは、やはり日頃の自分が根底にあるからです。そこに価値が出てくると言わざるを得ません。

 

舞台はおおよそ、30分から長いもので3時間ほどですが、一公演の舞台は役者の人生の中のほんの一部です。

30分や1・2時間の公演をするのに、たった一つのセリフを言うのに、どれだけの労力やスキルが必要でしょうか?

私はディズニーのステージを見てみて、とても興味深かったです。

笑顔でい続ける辛さ、身体的な能力。お客さんと目を合わせられる力。

社会人演劇は、二足の草鞋です。二足の草鞋の中で、どれだけ自分を高められますか?

 

私はここでもう一度言いたいと思います。

自分の作品にいくらならお金を出して見たいですか?

 

30分の公演であれば、その30分の中に、どれだけの総合力を見てもらえますか?

 

自信をもって提示できる価格であれば、お客さんは、その劇団の、その役者さんの舞台に、きっとまた来てくれると思います。

 

演劇を見る側の立場になって考えていきたいと思います。

 

 ②自分が支払っても良いと思う5倍くらいのエンタメを提供すべし

 

でね、次に言いたいのがこれです。

5倍くらいのエンタメ・・・つまり、5回見たいなと思える工夫があればリピーターになってもらえるのではないかということです。

同じ舞台を5回見る・・

 そんなこと普通しませんよね? 

よほどのファンか、関係者か・・・

でもね、本だったらどうでしょう?映画ならどうでしょう?

作品によっては繰り返し見ますよね?

ディズニーのすごいところって、言わずもがなですが一回ではまわりきれないエンタメの充実さだと思うんです。

トイストーリーマニア(シーの一番人気)でファストパス(優先券)をゲットした後、ディズニーシー・トランジットスチーマーラインに乗って移動して・・・ポップコーンのキャラメル味を買って・・・行ってみたいところが盛りだくさん。その間に順番待ちもするし、お手洗いだって行きたくなります。さらに通常であればパレードもガンガン来るわ、ステージの時間だってあります。

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一回でまわりきれなーい(><)!

ここでタイムロスしたからこうすればよかったのか!

このエリアは回ったけど、こっちのエリアはほとんど行けなかった(><)なんていうのが、たくさん出てきますよね。

だって、一度払ってしまえば、あとはどれだけアトラクションに乗ろうとステージを見ようと追加料金無いんですよ!

見なきゃ損!楽しまなきゃもったいない!!

そんな気持ちになっちゃいますよね。

 

んで、次行くならもっとこうしようと戦略を練るわけです。

お客の意識としては、「攻略したくなる!」そんな心情でしょうか?

 

このすごいところは、次来ることをすでに念頭に置いているということです。

一回で終わらないのが前提だからこそ、違う楽しみが待っているからこそ、次も行きたくなる・・そういうものではないでしょうか?

 

実のところ私も千葉に引っ越すまでは、こんなにリピーターになると思ってなかったんです。

一昨年、ハロウィンのイベントも見たく、たまたまディズニーランドに行ったんです。

そしたら「めちゃくちゃ楽しかった!!!」

 そしたら毎年の恒例になっていた・・みたいな感じんです。

でね、このリピーターになっちゃうのは私だけではないらしいです。(笑)

ご存知でしたでしょうか?

ディズニーのリピーター率は98パーセントなんですって。

 

なぜディズニーは98%のリピート率を誇るのか? 顧客満足向上に必要な6つの要素 鎌田洋氏が語る|ビジネス+IT

 ま、私もさっき知ったんですけどね(笑)

 

というわけで、重複して言いますがあくまで半の考えね。

 

今まで私が考えていたのは500円なら500円分の価値、もしくはそのプラスα∞があればいいんじゃないか・・ま、芝居はペイできれば、もうけもんという価値観だったんです。

 

でもね、それじゃ私と「好き」のジャンルが合う人に限られている上に、内容は500円分の価値しかないわけですよ。芝居には何かにつけてハプニングもあるわけでそうなれば400円300円くらいの価値になっちゃう。

お客さんのモチベーションだって皆が皆が好意的に観劇できるわけじゃない。直前で彼氏とケンカして気持ちは駄々下がり。でもチケットは取ってあるし、・・そんな状況のお客さんだっているわけでしょ。

要はお客さんに、どこまで楽しんでもらえるか?「面白かったね」のお持ち帰りをどこまでしてもらえるか?が問題。

 

1倍じゃ全然足りない。

2倍じゃ好きなタイプを絞りすぎる。好みが合う人の方が少ないと思った方がいい。

3倍じゃ良い状況のお客さんだけは楽しんでもらえるかもしれない。

4倍・・満足してもらえるお客さんがいるかもしれない。

5倍・・自信をもって提供できる。

 

 

そういうイメージ。

 

 

倍々で話をしましたけど、これは楽しめる要素が違えばいいと思うですよね。

過去に万単位の演劇を2度3度観劇をする知人がいて不躾けだけど思い切って聞いたんです。「なんで何回も見に行くの?」って。

 1度目はストーリーを楽しむ2度目は衣装の豪華さ3度目は楽曲。

そんなところに、注目する視点を変えて楽しむんだって。

 

そう、一度では処理しきれないエンタメがあるから、2度3度足を運ぶ。

運ぶ理由がある。

そういう事なんだと思いました。

 

具体的に小劇場で当てはめて考えてみると、

①例えば、客演。

AグループとBグループあれば見たいと思うお客さんは自然と増える

②例えば、オリジナル楽曲

ここでしか聞けない、ここでしか買えないとか、音楽ファンにも楽しめる

③例えば、舞台セットや衣装を豪華にする

コストがかかるし、かなり手をかけないと難しいけど、美しいモノに注目しちゃうのは確か。

④有名どころの脚本のリメイク

脚本自体にまず魅力があるっていうのは、作品としては重要

⑤例えば、見せ場の演出のこだわりを2個3個とアイデアをひねる

一回では解読できない作り方をするとかね「君の名は」という映画はいい例だと思う。

⑥受付嬢のスマイル

何気に超重要

 

ざっと今思いつくことを書いたんだけどね、ま、そこはいろいろ考えられるところだと思うし、実際には5個にこだわる必要なないものなんだけどね(^-^;。

 

で、結果何が重要なのかっていうと・・

ハッピーのお持ち帰り

 

さっきも言ったけど、

どこまで楽しんでもらえるか?「面白かったね」のお持ち帰りをどこまでしてもらえるか?が問題だと思うんです。終わりよければすべてよしというくらい、終演後の余韻から帰宅するまで。どこまでその気持ちが持続するか。

 

これが出来れば、その公演期間に再度来ていただかなかったとしても、次回公演も

○○ら安心して見に行ける・・ここにつながるんだと思うんですよね。

 

まずは「ここは良い、ここは面白い」とロックオンしてもらうこと。一度ロックオンしてもらえれば、お客さんは金額以上のエンタメをここなら提供してくれると安心感とお得感を買ってもらえる。つまり足を運んでもらいやすい。

その時は来場者1のカウントが、次回公演には2になったり3になったり・・・。

1回公演だと、予算オーバーになる可能性はあるけど・・・、ここは制作側が皆と、予算とアイデアの兼ね合いを楽しむところだよね。

 

 

そうしていえることは、クオリティの安心を売ること。・・・そんなことにたどり着く。

 

実際、私も観劇しようと思ったら、自分一人なら知名度の無いところでもいいやぁと思えるけど、お連れ様がいれば、別。

何を頼りにお芝居を選ぶかというと、一度以上見たことがあるところや知名度のある演劇人が関係しているかになってくる。お金のことは二の次でね。

 

一定の人脈やある程度の劇団さんには蛇足になるだろうけど、どうやってお客さんと信頼を築けられるか。演劇は生ものだから、チケットを取る時点では、良いか悪いかはわからない。どこで信用してもらうか、かな。

 

「ディズニーリゾートに学ぶちょこっとエンタメ道~エンタメとお金の話~」のまとめ

 

【今回のテーマ】

①ステージで見られる出演者さんは役者さんたちのホンの一部


②自分が支払っても良いと思う5倍くらいのエンタメを提供すべし

 

①役者の力量は努力のたまもの。感動を得られたなら、それまでの経緯が必ずある。

 上演時間、出演時間ではなく、そこにつぎ込まれたすべてに価値があるのではないでしょうか?

 

②お客さんに金額以上の「良かった」を持ち帰ってもらおう。安心感とお得を売って、信頼を築こう。

 

5行で収まったね。(^^;)。でも簡単にまとめるとこんな感じかな。

 

 

 

ただ、言うのは簡単。やるのは大変だよね。

私もここまで考えていて、いったい自分に何ができるだろう?ってなってる。

知力も財力も乏しい私に、どこまでのエンタメが提供できるんだろう?って。

5倍なんて、想像もつかない。

こんなにすごい人たちが、たくさんいて、私に何ができるんだろう?

 

まだ、

まだまだ考えていこうと思う。

 

 

 

 

 

<最後にもうちょこっと追記>

継続することや、エンタメを提供する中で一番の敵は何だと思いますか?

 

「マンネリ」「飽き」「二番煎じ」

私はお金や人員がハードルではなくて、実際は、これだと思うんです。

 

今回ディズニーのステージを私は満喫してきたわけですが、同じステージをど「うしても称賛できない」と書かれたブログを拝見しました。なぜなら、こちらの方は良く観劇される方で、他の劇場でやっていた演出や内容を見た経験があったそうです。

私自身も、"この作品はなんてセンスが良いんだ(><)"と思っていたら、それに酷似した作品が昔にあって、げんなりしてしまった記憶があります。

オマージュというかインスパイアとかだと思うんですけどね。でも見る側からすれば、「すごいなぁ!」の感動は薄れてしまうのは事実です。むしろ残念な気持ちになってしまいます。最初から提示されている場合は別なんですけどね。

 

半とっては、まだまだ先の話(訪れない話?)ですが、この問題にぶつかる芝居人も多いのではないでしょうか?

 

同じことを繰り返すことは安心感を生む一方で、上記のデメリットもはらんでいます。

 

お客さんだけでなく制作する側にとっても、ね。

 

 

 #芸術の秋 

内包  ~QSC2017のお知らせ~

 

こんにちはdbd半です。

かしげき2017が終了してから思うことが多くて、次のアクト(演劇作品)に取り掛かっていません。

いや、これはマイナスな事で言っているのではなくて、とどまるべくしてとどまっているのです。

今の私にとっては一回の公演が貴重で、一回の公演でどれだけのことを体感しどれだけ多くの<何か>を得られるのかが、重要だと思っています。
一つ終わってすぐに次に・・・というのは、半はもったいないのです。

そういう意味で、かしげきへの参加は大成功でした。


今、半の中では次のステップの方向性を考えることが多くて、
「どうしたい?」「どうやったらいい?」「どうする?」と脳内議論が繰り広げられています。

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早く次の作品作りをしたい気持ちもあるのですが、「GO!」が出ません。

こう脳天を突き上げる「これでいく!」という衝動、そういった自分の中の一声を探して、今、目の前の生活を送っています。


というわけで、まずは、お知らせ。
期待されていた方は・・・きっといないと思いますが(^^;)、今年のQSCの参加は見送ります。
QSCについては昨年のメインの活動したので、読んでいただいた方もいらっしゃると思います。
演劇×動画のコンクールですね。

昨年、参加してとても面白かったので、今年も何か形に残したかったのですが、スケジュールと上記のことを踏まえると、
今無理に動く時期ではない気がしました。


動画の作品は、生の舞台ではないため、設定に「公開」を選択していればずっと誰でも視聴が可能です。
それは言わずもがな、長所と短所がありますよね。
良い作品も悪い作品も、残り続けるということです。


半のスタイルは、お客さんへ向けてのメッセージを、最低限自分が満足する形で提供することです。


そのボーダーを切ってしまうもの・・・、
「○○だからしなければならない」になってしまうのは本末転倒ですからね。


それでも、やり続けることに価値は有りますから、今回のQSC参加についても実は結構ギリギリまで迷ってたんですよ(^^;)
作ることで見つかる発見もありますからね。
でも、最後の最後でやはり「グッとくるもの」が足りなかったんです。


相変わらず抽象的だな(笑)
わかりづらくて済みません。

いっしーとみさきさんとするプロデュース作品についても、もう少し時間を置くことにしました。
時間はかかっても、それでいい。

きっと、今作るより、良い物ができる気がするから。


一つ一つが大事なんです。

自分一人でもそうです。
作品の一つに対して、半は考えます。
下手くそなりに、不器用なりに。


他の人と一緒に作るなら、もっともっと愛情がミックスされます。
半が関係者の方に向けるもの。関係者の方が作品に向けるもの。


そういった、いろんな愛情をギュッと凝縮できた作品が、どうやったら出来るのか半は考えます。
考え続けます。

 

ショートストーリー「ずっと笑っていたい」 BGM付き

 こんばんわ。dbd半です。

また余談が長くなっていますが、今回はショートストーリーです。

本編は下の方にお進みください(^^)

 

●余談~台風ぐるぐる~

明日はまた台風本州通過ですね。

なんだか最近台風が続いている気が・・・。( ;∀;)大変なことにならなければいいですが・・。

 

さて日常的な話ですが、半吉は雨が続くとコインランドリーと車の利用頻度が増えます。最近の雨続きで、コインランドリーに住まう黒猫ちゃんと顔見知りになりました。勝手な話ですが、ここにずっといて欲しいと思うようになってきました。

 

コインランドリーって、不思議ですね。

なんかグルグル回っている洗濯物を見ていると、早くなったり遅くなったりして風車の羽のように洗濯物の色が円形になったり元に戻ったり変化していきます。そしてある程度、一定のリズムで回っていたと思ったら不意の逆回転。その繰り返し。これが複数で同時に回っています。

洗い物をしている機械は、激しい水しぶきを伴います。ランドリー内はまさしく嵐、台風の中のようです。

でも面白いのが、見た目の激しさとは裏腹にジャブンジャブン言うはずの音量が極小なところです。このギャップ・・。

 

グルグル。グルグル。

なんだか脳みそをかき回されているような感覚に陥るのは私だけでしょうか?

 

また、ここで見られる人間模様が実に興味深いです。

手持無沙汰で携帯に夢中なのかと思ったら洗濯物をめっちゃ気にしているピアスの若いお兄ちゃんとか、予想以上に順番待ちをさせられて憤慨する初めて利用するご年配の方とか(システムを理解していないと2・3時間くらい待つ羽目に・・半も最初やられました(^-^;))、ちょっと席外していている間に、タイミング悪く順番抜かしに合っちゃう方とか・・。

全くの他人同士が、一時的に同一のところに集まりほんの少しですが、ただ「待たされる時間」を過ごすのです。電車のように、おめかしして利用する所ではないため、他のステーションよりも一層、生活の一部や性格の一部が垣間見えます。

 

グルグル・・グルグル・・・。

 

頭の中は、視覚的情報から回転する・・グルグル・・。

 

人間模様のほんのちょっぴりづつを垣間見ているようで、半の頭の中はさらにグルグル・・。

 

あ~、ずっとここにいても飽きないなぁ・・・。

 

 

と、日々の生活を楽しんでおります。

 

●ブログ内BGMについて

 

さて、話は変わりますが、今回はかしげきから離れて、ショートです。

数日前になんとなく書き上げました。

こんな冒頭での始まりですが(笑)、ちょっくら切ない感じです。

 

で、今回の趣向は推奨BGM付きです(笑)

なんか、ブログ内でも音楽をつけたいなぁと前から思っていまして、ここ数日どうやったらできるかなぁと試行錯誤でした。

 

そういったことをするにはサウンドクラウドなどに音楽のアップロードが必要なようです。しかしながら、半は音楽をつくることができません。

そうなると著作権フリーのサイトから音楽をダウンロードさせてもらって、私の方でBGM用としてアップロードする?てなことになるのかなと・・。詰まるところ、あまり良いやり方には思えませんでした。

 

だって、私の名前でアップしたら、私が作った作品だと誤解されてしまう可能性は多いにありますもんね。制作者様に対して顔向けできません。それによく見たら、著作権フリーのところでの楽曲も他のサイトへのアップをお断りされているところは多々あります。BGMとしてのアップ希望で著作権略奪目的なんてことは一切ありませんが、誤解をされるのは本意なところではありません。

 

結局、youtyubeにすでにアップされている曲を使わせていただくことにしました。

そしてなるだけ、リンク貼り付けの事は管理者様にご連絡を入れていこうと思いました。時間はかかるし、他者様にご連絡を入れるのはちょっぴり緊張ですが、ブログ内でのこういう楽しみ方もチャレンジです。^^

 

今回は私がよく利用させてもらっている「音楽の卵」さんというフリーダウンロードできる音楽サイトがあるのですが、今回管理者様に連絡を入れBGMとしてブログに張り付けOKの許可と頂きました。^^有難うございます。m(__)m

 

今後こういうのも、またやってみたいなと思います。

 

●本編始まります。ショートストーリー

 

※追記20171023
携帯ではYouTube画面がアップしてしまうようです。音楽は聞きたいけど文章が読めな^^;
YouTube画面になったら画面を軽くタッチしてください。そのあと左上の矢印をクリックすると、はてなブログの画面に戻れるかと思います(>人<;)やってみて!

 

 

 

というわけで、もし良ければ音楽と合わせて、下のショートをお楽しみいただければ幸いです。(^^)

 


超使えるBGM!ピアノ暗い・しっとり音源「白い花」おんたま フリー素材 音楽の卵

 

 

 

 

 

 

*    *    *

「ずっと笑っていたい」   17/10/19 半

 

 

ずっと笑っていたい


雨の日も風の日も晴れの日も曇りの日も


あなたが落ち込んだとき、ぼくの笑顔があなたを勇気づけられるのなら
僕はいくらだって笑い続けられる

 

 


つまらないジョークで周りがシーンとしたなら
いの一番に僕が笑い声をあげよう
みんなの笑う顔が大好きだから

 


いつしか大人になって、
皆が笑うのをやめてしまったなら、
僕は古いアルバムを持っていこう

 

あんなことやったよな
本当にばかだよな
くだらなかったよな

 

そうして一緒に笑いあおう

 

 


誰かの手を取って微笑みあうあなたを見て
僕も心から笑顔を送ろう
貴方の笑顔が永遠に続くように
信じていない神様にだって祈っちゃうよ

 

 


あんなに仲が良かった友達と
もう何年も会っていないよね
きっと元気にやっているだろう?

 

 

きっと

 


きっと

 

 


突然の連絡は良いことばかりじゃないよね。

 

 

僕はどうしたらいいだろう?

 

 

今も笑えているかな?

 


心が重くて体が言うことを聞いてくれない
見えない何かが僕の心を鷲掴みしているみたいだよ

 


誰か、

 

 

ブリキの心臓と交換してくれないかな?

今なら高値で買うからさ

 


もっと、うまく笑えるはずなんだよ
だってそうだろ?
僕にはこれしかないんだから

 


これからだって、きっと

 

 

きっと

 


鏡はなるだけ見ないんだ
不細工な顔で、自分も笑えたらいいんだけどね

 


皆の笑顔が見られるのなら
僕が笑うことで、みんなが笑ってくれるのなら
それで僕は楽しくなる

 


みんなの笑顔が見たいんだ

 

 


みんなの幸せな顔が見たいんだ

 

 

 

 

 

ベッドの上だけど、皆が来てくれたね
あぁ、いつ振りだろう
皆の顔が昔と変わらない


僕も昔と変わらないように
皆を笑わせたくなっちゃうよ


声があんまり出ないね
指も昔より細くなっちゃったかな
でもね、笑うと歯がないのは、おかしいだろう?

ははは

ははは

 


どうして皆涙目なんだい?
ちょっとつまらなかったかい?

笑ってくれ
笑っていてくれ

 


僕がいなくても、笑い続けておくれ
僕は皆の笑顔が好きなんだ


皆の笑顔を見ると僕は幸せなんだ

 


皆が笑えば、僕も笑っているから

 

 


どこにいたって、それは変わらないよ

 

 

 

 


良かった

真っ暗な世界でも君の笑い声が聞こえるよ

 

 

 fin

 

*    *    *

 

半と赤いペディキュアと台風 ~本番当日の心の準備~

こにゃにゃちはdbd半です。

 

かしげきが終了して一か月が経過しました。

 

会社では1Fを駐車場を事務所として増築。そこに私の部署がお引越しすることになっており、先日やっとこりゃお引越しが完了しました。

 

そして、やっと落ちついてきたと思ったら、なんと別フロアでGが発見されるという悲劇が。引っ越し早々ビル内でバルサンをたくことになりました。

 

バルサン・・・1F~4Fまで・・・。

 

バルサンって、なんか家でやるもんだって思っていて、まさかオフィスビルでやるなんてことあるんですね・・・。

 

しかもGの発見情報はちっちゃいのが2・3匹・・・奴らの事なので経路がまったく不明のためこんな大騒動になったのですが・・・。

 

先週週明けはその片付けから仕事が始まりました。

かぶせていたブルーシートをはぎ取り、拭き掃除。

 

害虫2・3匹のためにわが社はどれだけのコストを使ったのでしょう?

 

最終的な成果は、玄関口でダンゴ虫一匹がひっくり返っているところを発見されただけでした。(--)

 

 

そして私たちは重大なミスを犯すのです。

 

出勤してすぐに喚起のため窓を全開にしました。

その窓から小さな虫君たちがさっそくオフィス内に紛れ込んでくるのです。

 

 

・   ・   ・    。

 

 

 

 バルサン意味なくない?

 

 

 

 

ま、きれいな方がいいよね!

拭き掃除もしたし、私も虫は大の苦手なんで。

やらないよりやった方が良かったよ。うん。まちがいない。

うん。きっと、ね。

 

 

うちの会社は中小企業です。

こういうのを清掃員を雇わず、自分たちでやるところ。中小企業らしくて私は結構好きです。ま、私は営業でもないので、分刻みで予定が入っていることもないから気軽に言えるんでしょうが。

 

でも、この引っ越しとバルサンが、かしげきが終了した後で本当に良かったです。

さすがにバタバタしていると、大きなミスがあったかもしれません。

何事も余裕があるというのはとても大切です。

 

 

____________________________

 

さて、余談が長かったのですが、

今回はかしげき本番当日の早朝の事を書かせて頂こうと思います。

 

今回は小説風です(笑)。長い文章が書けないので、比較的読みやすいんじゃないかと思います。

なんで小説風か?って。

なんとなくです(笑)

意味のないところに意味がある!・・・かもしれませんよ(^^)

どうぞ、お楽しみください。

 

____________________________ 

 

 

その日は台風だった。

 

半は、いよいよだと、はやる気持ちと、まだ時間はあるという心の余裕を併せ持ちながら、足元に目を向けた。

 

足元には、はげかけたペディキュア。

窓が激しく風に打ち付けられている音が聞こえる。

朝4時半。

 

「とらなきゃ」

 

ペディキュアを剥がすのには少し時間がかかる。不器用な半は最後にはいつも爪切りで切ってしまうか、削り落としてしまうようにしている。爪へのダメージを考えると、無理矢理な事をやらない方が良いのはわかっている。でも、

今日は落とさないと行けない。店へ行けば簡単だが、時間もない上に新しいものをつけるわけではないのだからそこにお金をかける必要性もそこまで感じなかった。今回は落とせればいいのだ。

 

昔から少しずつ集まったネイルセット引っ張り出して、コットンに除光液を含ませる。

 

つま先をコットンをくるませて、しばらく待つ。

 

風の音がより一層激しく聞こえた。

 

嵐の本番・・。

半は手の温度でコットン越しに足先を温めた。

 

 

 

昔のことを思い出した。

初めて演劇に触れたのは、高校の時だった。先輩の部活紹介で一気に度肝を抜かれた。

それまで半が見た演劇のイメージとは全く違ったのだ。

一言で言うなら、臨場感。

看板女優の先輩は、きちんとパイプ椅子に座った新人が集まった講堂で、後方つまりは出口の中からゲリラ隊員を様して突如現れた。

勢い

声量

内容

 

会場内は一気に笑いの渦だった。

 

 

それから、少ししてから演劇部に入部した半は、生涯の中で最も濃厚な時間を過ごした。先輩が卒業でいなくなった時は、本気で自分も辞めようかと思うくらい心酔していた。が、結局、劇部のまま2年になった。

 

高校にはHPFという高校生の演劇コンクールがあった。出場するのが、毎年の恒例になっていた。

夏の暑い日、まさしく台風シーズンだった。部活のメンバーと小道具を調達しながら、歩道を歩いていると、ふとコンクリートに影がないのに気がついた。空を見上げた。

曇天。嵐がくる。

 

何が起こるか分からないドキドキ感。本番が始まる緊張感と好奇心と嵐の前の静けさ。

 

大人たちの事情や大変さなんて当時は気づきもせず、半は高揚感の真っただ中だった。

 

公演終了後、本部から突如連絡が入った。

「台風が直撃するかもしれない。

安全を考えて明日の日時の変更をしようと思う。申し訳ないが、今いるお客さんに君たちの方から、告知をしてくれないか?」

 

 

終演後の妙なハイテンションが半の中を駆け巡っていた。半は相方に、目配せをした。

 

相方は、マジで?やるの?と、小動物のような表情を見せたが、いつも言う半の「やる」という言葉には、問答無用さを含んでいることをこの相方は知っていた。

 

部長が後ろから「いけいけ!なんでもいいからやってこい」

そう合図をしてきた。

 

半は役でネクタイを首に巻いていたものをスルッとほどいた。

この時はほぼ無意識だった。ただ、使える、そう思っただけのことだった。

 

半たちは即興で、北斗の拳さながら、馬にまたがる不良とその子分をしながら、台風の情報を観客に伝えた。内容が伝わったかどうかはさておき、なぜだか、会場が湧いた。あれだけ練習した小ネタは一切受けなかったスタッフさんが声を出して笑ってくれていた。

半と相棒はよっしゃと言わんばかりに親指をたてた。

 

〇〇ごっこは、その時半達がはまっていた遊びだった。

ある劇団の作品が大好きで、そのキャラクターごっこを稽古のノリでしょっちゅうやっていたのだ。今思えば、スーパーヒーロー、ヒロインの成りきりごっことほぼ変わらなかった。花の16歳。半の心は子供だった。いや、子供の頃より子供だった。

 

 

結局、半はそのまま女優賞をいただいた。女優賞といっても、ハードルはそこまで高くはない。どこの高校も一人二人はもらっていただろう。

でも、なぜか、それとは別で、「告知の二人」にも女優賞が用意されていた。すでに壇上にいた二人はお互い自分に指をさし「ここ」「ここ」と、顔を見合わせて笑った。

同じ賞を同時に二つ授与されたのはHPFの歴史の中でもこの時くらいだったろう。

しかし、半にとっては賞などは、どうでも良かった。芝居をやる。それができるだけで体の中で何かが沸いてくるのを感じていた。そして私の隣にはいつも相棒がいた。それだけで良かった。

 

 

最後にペディキュアの特に分厚く塗られた部分だけが、残った。

やはり最後は、削ってしまうほうが早い。

細長いやすりのような、ネイル専用道具をとり出す。

最後に残った真っ赤なネイル。

 

 

これを落として綺麗に吹き上げれば、フィニッシュだ。

最後に持ち物のチェックをもう一度して、出発しよう。

駅まで歩くか。電車が遅れる可能性もある。

どちらにしろ、早めに出るに越したことはない。

 

時計は6時を回っていた。

 

削られて隅に残った真っ赤なネイルを丁寧にふき取る。

 

 

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あのころは、ネイルなんて全く興味がなかったな。ましてやペディキュアなんて。

あれから、ずいぶん時間が流れた。

私はまた、板に立つ。

 

そして、また、台風だ。

妙な高揚感。緊張感。どきどき。

あの時と一緒だ。

 

でも、あの時と今は違う。

 

 

気が付くと、雨はさきほどと打って変わり、しとしと降る小雨になっていた。

半はまた時計を見た。

まだ出るのには早いかも入れない。

でも、こんな日は遅れるよりも早く着いたほうがいい。

 

 

動きやすいように、荷物をなるだけリュックに入れて、家を出た。

エレベーターをおりて駅へと向かう。

もう小雨さえ、降りやんでいた。

 

少しすれば眠気がぶり返しそうだと思いつつ、気合を入れた。

 

いざ、出陣・・・という思いを込めて、空に言い放った。

 

「行ってきます」

 

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