dbd半です。
いろいろ話が前後しておりますが、
『よだかの星』
先日やっこと動画(静止画)編集終わりました!(>_<)!!
上のフォトは今回使わせてかもらったフリーの動画の中の1ショット。半のお気に入りです。
まだご覧になってない方の方が多いですよね!ヽ(*^ω^*)ノぜったい見てね!
さて、勢いづいているところで、
よだかの星の考察(解釈)パート5!です。
こちらも、やっとここまで書けるぅ‼︎
いつものように、関連サイト過去ブログ、アーンド、目次です。
◆◆関連サイト及び過去ブログ・考察の目次です。★★
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「よだかの星」青空文庫より
よだかの星 宮沢賢治
http://reception.aozora.gr.jp/aozora/cards/000081/files/473.html
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イメージ画像などモリモリの過去ブログ
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よだかの考察の目次です。
※すでに書いたものは過去ブログを張っていますので、どうぞみてみてくださいね^_^
目次
《長く愛される理由〜描写》
①単語、「もう」「まっすぐ」「まるで〜ように」が多い!のはなぜ⁉︎
②情景描写は五感から入る!
③色
《長く愛される理由〜ハッとする瞬間》
④よだかはなぜ星になれたのか?
⑤よだかの“さいご”はいつなのか?
⑥ナレーションは何者なのか?演劇においてのナレーションのポジション
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さっ ここからは、かなり半ワールド爆発ですよ!!
こんな風に読むのは私くらいじゃなかろうかと、思います。だって、やっぱり演劇目線だからこその解釈だから^_^;
でないと、ここまで考えないというか、ちょっと無理くりじゃね?って、思われても仕方ない解釈というか。。
さて、今回のお題は、、
⑤よだかの“さいご”はいつなのか?です。
ちなみに前回の記事をまだの方は、話が続きますので、ご一読をオススメさせていただきますσ(^_^;)長くてすみません。
↓↓前回の記事↓↓
④よだかはなぜ星になれたのか?
よだかの星を読んだ事がある方なら、「何を言っているんだ。愚問だな。」と一蹴されそうな着眼点ですよね(笑)
よだかのさいごはいつなのか?
ええ、わかっいます。だって、文中に書いてあるんです。
よだかは涙ぐんだ目をあげて、もういっぺん空を見ました。
そうです。これがよだかのさいごでした。
作中のクライマックスですね。
本番を見て、分かる通り、一番のハッがあるところです。
そして、半が、前回の記事で、「このとき生と死の境界線を越え、それが引き金となって、よだかは星になれた」と書かせて頂きました。
生と死の境界線。
結論から言います。
このような遠巻きな言い回しをしてきたのは、半は≪このとき≫が、よだかの≪さいご≫だとは思っていません。
少し、話を変えます。
半はね、ここのシーンとは別にもう一つ納得ができないシーンがありました。
納得というのは前回にも言いました。演者として辻褄が合わない。話が途切れる感じです。感情が流れないというか、心の動きが止まってしまう感じなのです。
よだかは死を決意し、最初にお日様に会いに行きます。けれども鳥仲間だけでなくお日様にも邪険にされたよだか。話が終わると夜行性のよだかは倒れ込んでしまいます。そりゃそうですよね。メンタル的にも身体的にもやられます。
夜だかはおじぎを一つしたと思いましたが、急にぐらぐらしてとうとう野原の草の上に落ちてしまいました。そしてまるで夢ゆめを見ているようでした。からだがずうっと赤や黄の星のあいだをのぼって行ったり、どこまでも風に飛ばされたり、又鷹が来てからだをつかんだりしたようでした。
青地にした箇所。
そう、これなんです。これが、ずっと引っかかっていました。
なんだったら、よだかの星になった理由よりもさらに気になりました。
よだかの星は人気の作品なので、この文に関して他の人が書いているものが無いかも調べましたが、私が見た中でだと、ここに着眼している文書は見つかりませんでした。
ね、皆さん。
この一文、変じゃありませんか?
違和感がありませんか?
赤や黄の星の間を登って行ったり、風に飛ばされたり、鷹に掴まれたり。。
えっ?何これ?
星の間を登って行くだけなら、夢の中だけでも理想を叶えたのかなと解釈できます。
でも、違うんです。風に飛ばされて鷹に掴まれて。
夢が叶わず鷹に捕まった。→夢の中でも冷たい現実に戻された?こう解釈するのが一般的な気がします。
でも、鷹や、他の鳥は言葉や行動でよだかをいじめますが、決して手を挙げていないのです。少なくともこの時点ではまだ殴られるような具体的な乱暴には至っていません。
鷹がよだかを掴む。
とても違和感を感じます。
そして風に飛ばされたり、、。
なんで?
なんでいきなり風に飛ばされてるの?
今まで、風を切ってかけるよだかの描写はありますが、風に飛ばされるような羽ではありません。なのに急に?
メンタルがやられれば、そんな弱さを体現するような夢を見てもおかしく無いかもしれません。
ダンボやプーさんだって、おかしな夢を見ます。怖くて、恐ろしくて、意地悪な登場人物が夢の中でダンボやプーさんを襲います。
そういう類い?
そういう括りにしてしまっていいのでしょうか?
なんだか腑に落ちません。
もう一度、本を読んで見ましょう。
そしてまるで夢を見ているようでした。からだがずうっと赤や黄の星のあいだをのぼって行ったり、どこまでも風に飛ばされたり、又鷹が来てからだをつかんだりしたようでした。
夢を見ているようでした。
体がずうっと、、、
ずうっと、、、
ずうっと、、
おかしいです。
先ほど取り上げなかった、このずうっとという言葉。
なんだか、ここにも違和感を覚えます。
ずうっと赤や黄の星の間を、、
皆さん、想像して見てください。
ずうっと赤や黄の星の間を登って行くよだかを。。。
そして不似合いにも風に飛ばされるよだかを。
殺されるのではなく鷹に掴まれるよだかを。
飛んで飛んで
まっすぐお日様に向かって
赤や黄の星の間を登って
風に・・飛ばされて・・
鷹に掴まれる・・
※鷹が掴んでいるのは鳥さんだとイメージしてください
これって、これって、もしかて?
クライマックスのページめくって見ましょう。
夜だかは、どこまでも、どこまでも、まっすぐに空へのぼって行きました。
(略)
寒さにいきはむねに白く凍こおりました。空気がうすくなった為に、はねをそれはそれはせわしくうごかさなければなりませんでした。
(略)
寒さや霜しもがまるで剣のようによだかを刺さしました。よだかははねがすっかりしびれてしまいました。そしてなみだぐんだ目をあげてもう一ぺんそらを見ました。そうです。これがよだかの最後でした。もうよだかは落ちているのか、のぼっているのか、さかさになっているのか、上を向いているのかも、わかりませんでした。ただこころもちはやすらかに、その血のついた大きなくちばしは、横にまがっては居ましたが、たしかに少しわらって居おりました。
まっすぐに空へ登っていったよだか。周りには受け入れられず身も心もボロボロになります。けれども、さいごに自身の決意を持って、天にその眼差しを向けます。強く。強く。
イメージがリンクします。
青字が中盤の文
茶色がクライマックスの文です。
夜だかは、どこまでも、どこまでも、まっすぐに空へのぼって行きました。
からだがずうっと赤や黄の星のあいだをのぼって行ったり、
どこまでも風に飛ばされたり
もうよだかは落ちているのか、のぼっているのか、さかさになっているのか、上を向いているのかも、わかりませんでした。
又鷹が来てからだをつかんだりしたようでした。
その血のついた大きなくちばしは、横にまがっては居ましたが、たしかに少しわらって居おりました。
リンクした。
半の中でハッが光った瞬間でした。
皆さん、半が言いたい事、お分かりでしょうか?
ここであえて言いますが、これは役者_半から見た「よだかの星」の解釈です。
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よだかは醜い鳥でした。
けれども実は純度の高い星の原石を持ち合わせた存在でした。ただそれは誰も知りません。よだか自身さえ知らないことです。
皆には意地悪なことを言われ、名前が一緒だからと鷹からは脅され殺されそうになります。
その夜、殺されそうなよだかは、自分も虫を殺してこの世に生きていることに気づきます。
よだかは、弟のかわせみに別れをつげて、どうせ命を落とすなら一つの小さな光を出せるだろうとお日様に自分も連れて行ってくれと懇願します。
それは夜を生きるよだかにとって容易なことではありません。
お日様はくらくらするほどまぶしく飛んでも飛んでも遠ざかっていきます。やっと声をかけてもらったと思ったら、
”星にいってみろ。お前は夜の鳥なのだから"と辛らつとも慈悲ともとれる言葉を浴びせられます。
力尽きて葉っぱの上に落ちていくよだか。
よだかは夢を見ます。
けれどそれは夢だったのでしょうか。
朦朧とする意識の中、赤や黄の光が見えます。体は風にあおられ地に落ちていきます。
体は傷だらけになり嘴には血が付いています。
羽ももう動かすことはできません。
そうこの時よだかの体は死に直面していたのです。。
断片的に見える景色は、もう動かなくなった自分の体をあの鷹がつかんでいくところでした。
けれども一方で、よだかの精神は、折れません。
お日様に教えてもらった通り、お星さまを訪ねます。
「連れて行ってください」
断られボロボロになります。くじけそうになる心を何度も何度も奮い立たせ飛び回ります。
その度にひどいそしりを受けながらよだかは最後の最後までよだか、あきらめませんでした。
何度も何度も。
そしてなみだぐんだ目をあげてもう一ぺんそらを見ました。
この瞬間、よだかは生と死の境界線を越えたのです。
よだかの着火線に火がともりました。
そうです。これがよだかの最後でした。
よだかの体に火がともり、一気に全身にその火は一つの強い光になります。
よだかの肉体的な死とは別に、精神的な決定的な何かを超えたのです。
これが半が思うよだかのさいご-境界線です。
つまり、よだかは肉体的な死と精神的な(境界線)を超えること、この二つがよだかにとってのさいごだったのではないか、半はこう解釈しているわけです。
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いかがでしょうか?
ひどい考察ですね。(笑)。無理矢理にもほどがある。
でも、こう思った瞬間、すべてのパズルがハマった感じがしたのです。
ところで、よだかの星の動画UP作品はご覧頂けましたでしょうか?
劇団AQUA 朗読劇「よだかの星」実演
少しネタばらしをしますと、
半には上記のイメージがありましたので、静止画での編集でしたが
この辺りをどうしても編集で表現したくよだかの絵の周りをオレンジで覆いました。
夢を見ているよだかのところとラストのシーン2つに。
スキルが乏しい上に編集ソフトはスペックが高いものではないので、半なりのささやかな演出(抵抗)でした。
このオレンジというところにも、なぜかこだわりがあって、赤よりもオレンジの方がどす黒い気がしたのです。見ていただいた通りきれいな塗り方はしていません。
迫って狂うオレンジ(死)に囲まれ、よだかはもう逃げるところはないのです。
血を連想する赤を使わなかったのは、この時よだかの心はまだ生きていたと思ったからかもしれません。
露骨な赤よりもよだかの死を表現するのはオレンジだと思ったのです。
ただただ純真なよだか。
周りからは忌み嫌われていた外見。どうしてこんな風にならなければならないんだと、負の心を呼び寄せるこの体。
生きるために他の誰かの命を奪い続ける汚らわしい体。
肉体から解放され、醜い自分から解放されたことで、星と対話し、さらに純度の高い存在へ昇華していくのです。
蛇足ですが、ここで勘違いしないでほしいのは、この時よだかは自ら放棄して太陽に焼かれたのではないということです。
純粋な心を持ち続けたよだかは、その過程で肉体から解放されていただけに過ぎないのです。
自ら死を願っていますが、「死にたい」わけではありません。
「星になりたい」
「一瞬だけでも輝きたい」
それに尽きるのです。
その心の真ん中にある高純度な気持ちの原石が研ぎ澄まされ、よだかの本当のさいごが訪れるのだと私は解釈しています。
皆さんにもありますよね?
皆さんの心にもきっと、
純度の高い純真で穢れのない思いが。
よだかは鳥で創作物ですが、決してよそごとではありません。
少し曇っていたり、隠れちゃったりしているかもしれません。
でも、必ずあなたの心の奥底にもピュアで誰にも汚されることのない唯一無二の宝物がそこにありますよね。
よだかは、私たちの心の本当にきれいな部分を投影して、罵られ傷つけられても誰にも汚されることなく、かえって強い光となって輝き続けるのです。
「よだかの星」は最後にこう綴られています。
そしてよだかの星は燃えつづけました。いつまでもいつまでも燃えつづけました。
今でもまだ燃えています。
さ。今回はこの当りで区切りをつけますね。
次回、よだかの考察(解釈)もラストになります。
是非、最後まで完読してくださいね★
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